深刻な情報漏えいのリスクを伴うメール誤送信
オフィスのIT化が進んだことにより、社内やクライアントとのやりとりをするときにメールを使用する機会が増えてきました。
名刺にメールアドレスを記載するのもごく当たり前になっており、携帯電話よりも確実に連絡をとることができるメールの方がむしろ連絡ツールとして好まれる傾向にあります。
しかし、その半面でメールは送受信の履歴がはっきりサーバーに残ってしまいますので、うっかり送信先を間違えたり添付する文章やファイルを間違えてしまうことで重大な情報漏えいが起こるリスクがあります。
特に納期まで時間がないときに慌てて仕上げたメールの場合には、つい眠気や気の緩みから書きかけの文章や未完成のデータを送ってしまいがちです。
メールの怖いところは一度送信ボタンを押してしまうと途中で取り消しをすることができないという点です。
昔の回線速度が遅い時代ならば重いファイルを送信している途中で気がつくということもありましたが、ブロードバンドが普及した現在においてはそうした間もなく、一瞬で送信が終わってしまいます。
誤送信が起こる三大原因として「メールアドレスの記載・入力ミス」「添付ファイルの勘違い」「基本的なリテラシーの不徹底」というものが挙げられます。
最初のメールアドレスのミスは、数多くあるアドレス帳から選択をするときの選び間違いが多く、似たような社名や人名の取引先があるときに起こりがちです。
次の添付ファイルのミスは、ファイルを保存する場所がバラバラであったり、ファイル名の付け方が統一されていない適当なものだったときによく起こります。
最後の基本的なリテラシーとは、メール送信の基本である「cc」と「bc」の区別がわからないといったようなケースです。
いずれも十分に注意すれば防げるものではありますが、長く仕事をしていると自力だけではなかなか防ぐことができません。
メール誤送信を防ぐセキュリティツール
メール誤送信の対応策としては、送信まで一定時間をあえてつけるサーバーの設置というものがあります。
これは誤送信によるリスク低減のためにセキュリティ会社が提供しているもので、メール送信ボタンを押してもすぐに相手方に送信されず、一定時間サーバーにとどまっておく仕組みとなっています。
あとでミスに気づいてキャンセルをすれば送信を止めることができますので、こうしたものを導入することでかなりミスは減ります。
しかし、最も大切なのはツールではなく、送信前に誤りが起こらないように社内で工夫をするということです。
メールを作成してから送信するまでに必ず時間を置く習慣を作ったり、定期的にインターネットツールの講習会を行うなどしていく事が有効な手段となります。